単なるグチと、弱音でゴメン!

時々、すっごく淋しくて心が折れそうになる

もう嫌われたんだな、とか、やっぱり役者には向いてないんだな、とか。

嫌われたのかどうかなんてホンマのところは分からないけど、その可能性が高いのは事実

でも、嫌わせるようなことをしてしまったのが悪いとも思う、けどさ

けどさ。それが最良の答えだと信じていたから、後悔はないさ。

ないし、それならいいよ、とも思うけど、、

やっぱり悲しい。私が嫌いになったわけじゃないからさ。

アイツに嫌われるのはまだ分かるんだ。

それでいいと思ってもいた。

でも、あの子には嫌われたくなかったな。

ま、もう遅いんだけどさ。

役者に向いてないかどうかなんてことも、そんなもんとっくに分かっていることだろう。

でもそれならなぜ、目指すのか。

初心を忘れているよな。

それに、諦めるほど、悔しくなるほど頑張ってもいない。

頑張り方が分からない、なんて甘えた言い訳すんなよな。

やれる限りのことをやってみようや。

何にもやっていないのに、認めてもらえるほど甘い世界じゃないんだよ。

そんな世界なら、今一緒にいる人たちも誰も苦労なんかしてこないんだから。

踏み出せ。いちいち落ち込んでんじゃねぇ。

、、でも、少し、へこんだ一日。

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イマ

好きなことをすんのに、何か理由がいんのか。

幸せとか、希望とか、そんな言葉は綺麗でよく分からないけれど

言葉よりは感じているこの気持ちが、いい。

よく分からないけど、人生なんてそれでいいんじゃないか。とさえ思う。

そんなことを思う今。

間違ってるとか、正しいとかどうでもいいな。

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グチ

なんか、イライラしてる。

それが上手く対処できないのが子供なんだよなぁ。

色んなことに腹が立つし、自分にも腹が立つ。

でもはけ口がない。

なかなか友達と会う時間もなくて、心休まる時間が作れなくて。

でも自分に甘くなったりして。

だから、余計イライラするんだね。

あーあ。旅にでたいなぁ(笑)

でも分かってるはずなんだ、本当は。

目の前のことを真剣にするしかなくて。

それをしていないってことなのかもしれないし、やり方が悪いのだろうとも思うし。

難しいのか、難しくしてるのか。

後者なんだと思うけど、決して簡単でもない。

芯をすえたら、いいのだけど。

「人生の意義」なんて、必要なのかどうなのかはわからないけれど、

今の自分には自分のことで精一杯で、視野がとても狭いのは分かる。

色んなものを見て、触れて、自分がやりたいと思うことを感じていきたい。

世界には、凄いものが沢山ある。

そういったものに触れることは自分の行動次第でいくらでも可能なんだろうけど

それを実行できる環境を作るには、いかようにもやり方があるはずで。

日々の小さなことに囚われている自分が情けないね。

…感じるままに行動できたらいいのだけど、出来ないのは

器の小ささと勝手さと、、くだらない思い込みと、嫉妬と、自信のなさと

そういったもの全部、なのかな。

それって、いらないんだよな。

そんなこと気にするくらいなら芝居なんかやるなって話なのに

振り回される。

答えは簡単なのにね。

やるか、やらないか。

何が、したいのか、、それに対する自分の答え。

甘えるなって話なんだよな。結局。

そう思うのに、なかなか落とせない。

くっっだらないよなぁ。

とか悩む時間がある今が、余裕があるってことなんだろうね(苦笑)

ぐだぐだでゴメン。

吐き出さないとやってらんないの。

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めっちゃ眠い!(笑)

何だかとっても大変です(笑)
でもこんなの、序の口でこれからが大忙しなんだな~。
煮詰まったり、楽しくなったり、パンクしそうになったり(笑)
慌てるのを通り越して、笑えてきてしまう。
やりたい事がこんなに沢山あって。会いたいひとが沢山いて。
大変なのもきっと嬉しいことなのに、眠くて、泣きそう(笑)
まぁまぁ、こんなもんか。
それならやるしかないよな。とかとか色々。
なんだかんだ、楽しいんだな、きっと~。

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六話**

いつから雨が降っているのだろう。

そんな疑問が浮かぶが、そんなことはどうでもいいと、すぐに消し去る。

土砂降りの雨の中、傘もささずになぜ走っているのだろう?

俺は、どこを目指して、走っているのだろう…

心のどこかで、そんな疑問を浮かべながらエディは走それでも走った。

大粒の雨の降り注ぐこの町を、あの湖に向かって走っていた。

家にはいられず、ただ訳の分からない思いに駆り立てられて、湖を目指した。

本当は、分かっていた。

こうしていても、何にもならない。

真実なんて、分かるものか。

この町で何年、母親の居場所を探してきた?

ようやく掴んだと思った欠片は、俺の命と引き換えに囚われている母親を

逃がしてくれるという。

その真実を、どこにどのように探ったらいいのか、困り果てていた。

あの女が帰ってから、町中の人に聞きまわった。

読める限りの本をあさり、過去数年の新聞を探し当て、それでも

一向に求めているものにはたどり着けずに途方にくれていた。

あの日から、三日がたっていた。

真実を知りたいなら、あの女に連絡すればいいだろう。

嘘かもしれない。騙して、脅して、遊ばれているのかもしれない。

何が目的か、、俺の命か?

本当かもしれない。

何か、胸の奥で「行くな。行けば、死ぬぞ」という声が聞こえる気がする。

あれだけ探していた母親の唯一の手がかりだ。

連絡してみればいいじゃないか、臆病者ともう一人の自分が笑う。

父親を酒瓶でやり返して、足をつぶしておきながら、自分の命は大事なのか。

大事だ。何が悪い。

やり場のない思いに駆られ、この雨のなか湖だけをひたすら目指した。

はぁ、はぁ…。

ここは、何処だ?

気がつけば、湖の姿は見当たらず、深い山の中に来ていた。

周りは鬱蒼と生い茂った草草に囲まれた木の連なるなか、日が沈んでいるおかげで辺りの様子は暗くてよく見えない。

小雨に変わり、黒々とした夜空の合間からはあの赤い月が見える。

満月だ。

びしょびしょになった髪から、雨のしずくがたれ落ちる。

大量の水を吸った白いシャツをしぼりながら、一本の木の根元にある大きな岩に腰掛ける。

はぁ、はぁ、はぁ…。

どうしようもないな。

なんてざまだ。俺は、ただ逃げてきたのか。

何が怖いのか。

訳も分からない思いをたずさえ、もう一度腰をあげようとするが上がらない。

エディは、相当に疲れていた。

とても、静かだった。

自分の息の音しか聞こえない。風もない。

おそらく、湖からはさほど離れていなのだろう。

全く根拠も無いのに、確信していた。

”湖に行け”

そんな声がする。だが、腰が上がらない。

疲れで、寝てしまいそうだった。

その時。

目前に、小さな光が見える。

青い、光だ。

手を伸ばすと、光に触れる。

柔らかい、暖かい光だった。

熱をもっている。気のせいではないようだった。

とたんに、力が宿った気がした。

腰が持ち上がり、気がつくと、左側前方を目指して歩いていた。

数十分歩くと、木々を隔てて湖が見えた。

はぁ、、

そこで、意識が遠くなる。

遠ざかる記憶のなかで、母親の声が聞こえた気がした。

「見つけた。」

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五話**

赤いコートを着た裸足の美女は、

「母親の居所を知りたいなら、あなたの大切にしているものをこの場所に持ってきて。」

と、取り出した一枚の地図に記されている場所に、赤いペンで丸く囲む。

「大切にしているもの?」

「そう。分かっているでしょう?」

…なんだ、それは。

唯一の母親の写真なら、大切にしているが。それ以外にこの地に持ち合わせてきたものなど、ない。

写真が必要なのか?

「…俺のお袋は、そこにいるのか?」

「それは、教えられない。あなたの母親は訳あって捕えられているの。

勘違いしないでほしいのが、私が直接関わっているわけではないの。

だから、深くは知らない。けれど、あなたの母親を救うのにはそれが必要なのよ。」

「捕えられている?!なぜ、誰が…」

「心当たりはあるでしょう?」

遠い、記憶を探る。

脳裏に、えぐられた傷の痛みが走る。

…思い出すのは、酒瓶を片手に酔っ払った親父だ。

あの日、俺は尊敬していた親父を殴ったんだ。

保身のために、お袋を売り飛ばしたといったあの、親父を。

売り飛ばした先は、大富豪だったという。

捕えられているなんて、聞いてない。

だとしたら、その大富豪に捕えられているというのか?

「さっぱり分からない。俺は、何も知らない。あんたが知っていることを全部教えてくれないか。」

「いったでしょう。わたしは、深くは知らない。あなたの母親が何かの理由で捕えられている。そして、それを救うにはあなたの大切なものが、いる。」

「俺の大切なものって何だ。母親の写真しかないぞ。」

「違うわ。もっと、大切なものよ。かけがえのないものよ。」

…何だ?

「よく考えて。答えがでないなら、行かなくてもいい。

考えたら、分かるわよ。」

「いえよ!」

ガシャン。

机のうえの、コーヒーカップが床に落ちて、割れる。

「…ふん。バカね。それが教えてくださいって態度なの?」

「…。」

「いいわ。あなたの命よ。」

は?

「あなたの命と、母親の命を交換するの。

あいつらは、あなたの命が欲しいの。」

何で、俺の命とお袋が交換なんだ?

大体、俺が死んでおふくろが救われるって保障があるのか?

その場で俺が殺されて、お袋は無事に生還できるなんて誰が見守るんだ?

「意味が、わかんねぇ。」

「最初、あいつらの欲しいものはあなたの母親のなかにあるものだと思っていた。

母親の中には、無かった。あなたの母親は、ただ一人の息子に、それが宿っているといった。」

「何が宿っているって?あいつらって誰だよ。」

「聞くだけじゃなくて、自分で調べてみなさい。私が与えられる情報は、すべて与えたわ。」

…意味が、わかんねぇ。どこまでが、本当なのか?すべてが、嘘なのか?

「その気になったら、また連絡ちょうだい。私は、ここにいる。」

そういって、女は名刺を取り出して、エディに渡す。

「そうそう、早く連絡くれないと、、

あなたの母親、長くはもたないわよ。」

「は?」

「じゃぁね。」

「待てよ!お袋は、病気なのか?それとも、いたぶられて、、」

「実験のオモチャにされているからねぇ。お返事、待っているわよ。」

そういうと、ドアをカタンを閉めて出ていった。

「待てよ!!」

外に出るが、もう姿が見えない。

…どういうことなんだ?

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コーヒーブレイク…て、今でもいうんかな?

小説は今日はオヤスミして、日記です☆

てか、やらなかんことが仰山あるのに、眠い↓なので休憩を兼ねてblogの更新(^^;

最近、本気で朝起きれないんだよね↓↓早く起きてやりゃいいんだけど、まるきり自信がないもので、やれんかった時が怖い…。

生活改善すりゃいいんだけどね☆なかなか難しいねんなー。でもま、頑張ろ。

今日ね、友達がプロデュースしている芝居を観てきました☆

作・演出・出演。すごいと思う。

役者としての彼は好きなんやけど。

面白かったです。でも私には納得のいかない結末だった。

これだけいうと反感買いそうなんだけど、ラストの何人かかが始末されてしまうのはよかったと思ったんだよ。

現実的で。そりゃハッピーエンドがいいんだろうけど、現実なんてそう甘くないし、上手くもいかないもんだよな、と。そのシーンの照明や演出は好きやった。

ただ、、最後の最後に、「人生はコメディだ」と告げるのが腑に落ちない。

とっても腑に落ちない。なんでなんだろ。

この役者の演技の問題なんだろか。

それもあるかしらんけど、多分それが理由じゃない。

単純な理由だな、私が人生をコメディだと思えないからだ。

私がまだよくわかっちゃいないだけかもしれない。

そう思えたら楽なんだろうと思う。

このセリフを言った役の人物としては、そうでも思わないとやっていけないからかもしれないし、それにどこかで本気でそう思っているんだろう。

それはいいねん。でもこれは、メッセージなのか?

そう捉えると、違うって思う。

人生なんてそんな風に割り切れるもんじゃねぇって思う。

だから、腑に落ちへんのやろか。

結局、価値観の問題やと思うけど。

私は、共感できなかった。って、ただそんだけ。

この友達の思ってることかどうかなんて知らないし、分からないけれど。

せやけど、観終わったときに残ったものは、なんともいえない気持ち悪さだった。

そうなんか?そんなものか?それでいいんか?って。

例えば、とっても上手い役者さんが最高にいい演技でこのシーンをやりはったらまた違う感想になっていたかもしれない。

だけど、知っている役者さんやから申し訳ないんやけど(何様って感じやけど、あくまで個人の感想として。自分のことは棚においてるよ)、この方はそうじゃない。

この方の演技で、このシーンは、観れなかった。

たとえメッセージがそうだとしても(多分そうなんだろうけども)、そんなことをこういった形でいってほしくなかったというのは、間違いない、正直な私の感想だ。

伝え方が、好みじゃなかったのもある。それを言わすんなら、この展開で早急すぎる。

それが表せる役者ならもしかしたらよかったのかもしれないが。

でも、作品というのは、きっとどんな細かいところも、人も物も、音も照明も、セットも何ひとつとってもそれを含めて「一つの作品」なわけで。

この作品のなかで、この役者がやるシーンであるなら、もっと違う展開も見せられただろうと思ってしまう。

私だったら、言葉にはせずに、行動で見せてほしかった。

あの展開で、あのシーンで、述べられた言葉が私には疑問にしか思えなかった。

まぁでも、私がそう思っても、彼にとっては最高にいい形やったんかもしれない。

それは、分からない。

分からないけど、なんだかショックだった。

多分、途中までが好きな感じで、楽しめた部分があっただけに。

この人の作品が好きで観にくるか、っていわれたら、次回からはそう思えなくなってしまう。

友達だから、お世話になっている役者さんだから、で観にくるのはなんだか、、

好きな友達だから、作品も好きになりたいって思うけど、そこは人の価値観だから、そいういうのもあるってことで、仕方ないんだけどさ。

だからこそ、自分の思っていることが浮き彫りになってくるのは反面、いい勉強をさせてもらえたとも思うんだけど。

でも、このやり場のない思いの矛先がどこにも向けられずにこんなところに書いてしまいました☆

だって、それでも誠実に創られてきた作品だというのも分かるし。

そんな人たちに向かって、それを知っている私が言うのはとても失礼なことだとも思うから、言わないけども。

でも、、自分の思ったことに対しては、正直でありたい。

好きやとは思えん。

人生はコメディとか、なんだとか、言い切れない。

そんなん30半ばで分かるんか?それが芝居でいいたかったことなんか?

人それぞれの人生、それぞれが感じるもんやろう。

私の読みが浅いんかもしれんけど。

そう思うときは、勿論あるだろうし、そう思っている人たちは勿論いるやろうし、それはそれでいいねんけど、私が見て、の感想やから。

20歳のときやったら、好きな芝居やったかもしれんけど。

うーん、わっからへん!

もやもや。

仕事、続きすっか。

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四話**

褐色の肌の人々の多いこのマカルナの地には珍しく、色白の肌の女性だった。

痩身で、背がすらりと高い、きつい目をした美女だった。

ベージュのトレンチコートの下には、真っ赤なワンピースを着ているが、足は裸足だった。

エディは靴磨きの仕事に就いたときから、職場にと、この古い小さな宿に住みついているのだが、突然訪れたこの美女が裸足であったことに驚いていた。

こんないい身なりをしていながら、足はなんで裸足なんだよ?

そんな疑問を顔には出さないようにしていたが、しっかり見抜かれていたらしい。

「あら、失礼。そりゃあびっくりするわよね。ごめんなさい。

上がろうとは思っていないから、大丈夫。気にしないで。」

明るく笑ったその笑顔は、見る者をうっとりさせるかのように、美しかった。

(でもイキナリため口かよ)

「怪しい者じゃないのよ。」

「…十分怪しいけど?」

「あはは!そうれもそうだわね。自分で怪しくないなんていう奴に限って怪しいのよね!」

コロコロ笑うこの美女の、訪れた理由が全く見当もつかない。

エデイは、この街に着いてからというもの、従来のエディの性格からが想像もできないようなくらい、他人からは心を閉ざしていた。

閉ざすといっても、元来彼は明るい性格なので、人から距離を置くといった程度にしか思わせないのだが。

それでも、距離なんてものとは呼べないくらいには、彼は誰にも心を許していなかった。

氷の橋を渡っていけるように、それに伴う要領と愛想の良さが、彼の心を隠していた。

(世渡りは上手くなったと思うが、こんな訳わかんねぇ奴に付き合っていられるほど気は長くねーんだが)

ドアを閉めようとした矢先、

「私、あなたの母親を知っているの。」

閉めようとした手が止まる。

瞬間、背中が凍りつく。

聞き間違いかと思ったので、聞き返す。

「…今、なんつった?」

「だから、あなたの母親を知っているんだって。」

女がにっと笑う。

その表情は、先ほどの笑顔とは違い、どこか凍てつくような妖しさを感じさせるものであった。

その瞳の奥に一瞬宿った光に、エディは気づかなかった。

俺の母親を知っているって?この女が?

「あぁ。靴はね、人に持っていかれたのよ。ひどい事するわよね?

足が痛いったら・・・。ねぇ、そう思わない?」

先を促すエディの視線をはぐらかすように、女はさも足が痛いかのようにさする。

「…入れよ。」

女がにっと笑う。

後になって思うと、何であの時あの女を入れたのか。

理由は、簡単だった。

彼の、生きてこれた理由の欠片を、初めて見つけたかもしれないのだ。

                  ***************************

「あれは、エディにとっては忘れられない出来事だったろうねぇ。」

ポツリと呟くアリィの言葉が、何故だかフルートの胸に刺さった。

                  ***************************

 

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三話**

傷だらけの足をひきづって、ようやくこの地に着いたときには夜が暮れようとしていた。

今まで見た事のない、湖だった。

この先、どこまで続いているのか。果てしなく広大で、美しい湖だった。

身体中が、痒い。

もう何日も、何日も、悪夢から無我夢中で逃げてきた。

振りほどこうとしても、追いつかれて、やがて呑まれる。

空っぽの心に、抜けない棘が刺さっている。

その棘は、やがて彼の心臓まで達して、生命を奪うだろう。

決して答えの出ることのない疑問を振り払おうとするが、許されない。

ただもう、故郷には居る場所がなかった。

「はぁ、はぁ…。」

真っ赤な月が湖を照らす。湖まで、赤く染まっているかのようであった。

「ちくしょう…。ここは、どこだよ。」

「ここは、アウラスの湖だよ。知らないのか、坊や。」

          *************

それが、エディとアリィの出会いだった。

エディは、このときこの老婆に何を喋っていたか実はよく覚えていない。

ずいぶんと長い時間喋っていたようだが、ただただ怒りに任せて吐き散らしていたかのように思う。

それからこの街で住むことになり、職を見つけた。

靴を磨いて、磨いて。合間に、絵を描く。

そして、生まれたときに死んだと聞かされていた母親を探した。

そうだ。母親の胸に抱かれていた唯一の記憶は、確かにあの湖だ。

”赤い月の見下ろす、アウラス”と父親に聞いていた。

けれど、どうやって探すか…。手がかりは、何もなかった。

そんなときに出会ったのが、一人の女だった。

         ************

「あいつは私と再会する前に、一人の女と出会っていた。

そのときのエディは、父親を憎む気持ちと、母親に会いたい一心で生きていたんだ。」

自分と別れた翌日に、姿を消したエディを思う。

フルートは、ただ呆然とアリィの話を聞いていた。

自分と別れたあの夜に、何があったんだろう。

それをこの老婆は知っているのか。

「聞きたいことが山ほどあるのは分かってるさ。

だが私がこれから語る話は事実だけだ。そっからどうするかは、お前さん次第なのさ。」

そんな謎めいた言葉を残されても、分かるもんか。

そう思うが、とりあえず話を聞かないことにはこの老婆は教えてくれそうになかった。事実、フルートには衝撃的な話だった。

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二話**

赤い月が照らす広大な湖のほとりで、フルートとアリィは腰を下ろしていた。

身の凍えそうな寒さのなか、白くなる息をつきながら、二人はしばらく月を見つめていた。

この老婆に聞きたいコトが山ほどある。

だが、穏やかのようでナイフのように鋭い眼光をもつこの老婆に

何か聞こうとすることは無粋なことかと思えた。

フルートは、これから聞かされる大切な待ち人の話に

少し緊張しながら、身をこわばらせていた。

「そんなに固くなんなさんな。…お前さんの約束の相手はエディ・モーラス。

間違いないね?」

「そうだ。…エディはなぜ来ないんだ?」

アリィはすぐには答えず、左のポケットからタバコをとりだして、火をつける。

「…来ないんじゃない。このアウラスの湖の掟に破いちまって、来れないんだ。」

掟?フルートがこの地、マカルナの街に来てもう5,6年になるがそんな話は聞いたことがなかった。

ただ、この湖には古い言い伝えがあって、誰もここには寄り付かないということだけだった。

「私がエディと出会って、もう7年になるか。

今晩のように、真っ赤な満月の下で、ちょうどこの場所で出会ったんだよ。」

7年前というと…、フルートの前からエディが姿を消したときだ。

その頃、エディは故郷から遠いこの地に来ていたというのか。

「あん時のエディは、子憎たらしいガキだったな。」

「…エディは、ここで何をしていたんだ?」

「親父さんから逃げてきて、母親を探しているんだといった。

それで、この湖までたどり着いたんだといいおった。」

エディが、親父さんから逃げてきた?

信じられない。

あの頃の、父親に向けるエディの優しさが脳裏に浮かぶ。

彼は、父親のためならなんでも捨てると言った。

そして、はにかんだような笑顔で頭をかく。

いつも思い出すのは、彼のそんな仕草だった。

信じられない顔をしているフルートを尻目に、アリィは短くなったタバコを

まずそうに吸う。

「人の人生なんて、何がおきるか最後まで分からないもんだ。」

そうして、感傷に浸るように、呟く。

「あんな事がなければ、あいつは今頃ここで約束を遂げていたんだろうねぇ。」

「あんな事?」

「そうさ。…母を探しているといったあいつと次に会ったのは、

その翌年だ。…土砂降りの日だった。」

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